イヤイヤ期がつらいのはなぜ?発達心理学でわかる3つの理由

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イヤイヤ期がつらい…それはあなただけじゃない

子どもが、いわゆる”イヤイヤ期”に入り、
何を言っても「イヤ!」「しない!」と返されてつらくなっていませんか?

私は4歳と2歳の男の子を育てる元公立幼稚園教諭です。

長男がイヤイヤ期を抜けてきたと思ったら、今度は次男が突入。

「お外行く?」「イヤ!」
「おうちで遊ぼうか」「しないよ!」
「とりあえずお着替えしよう」「イヤァァ」

何とか支度を済ませて公園に出かけようとするも、
「ベビーカー乗らない!」「抱っこして!」「傘持っていくのぉ!」
「こっちに行きたい!」「そっちはイヤァァ」
と、目的地の公園に着くまでに30分…。

毎日のように理不尽に思える会話が繰り返され、親の疲労は溜まっていくばかりですよね。

家の中で泣きわめく分にはまだいいですが、
外出先で泣いたり、ひっくり返ったりすると、
周りの目も気になって、気持ちがすり減ってしまいます。

泣いている我が子を前に、「こっちが泣きたいよ…」と目に涙をためてしまうことも。

スヤスヤと寝ている子どもの顔をなでながら
「育て方を間違えたのかな」と泣く夜も少なくありませんでした。

イヤイヤ期を育てている母親のみなさんにお伝えします。

子どものこういった姿は、育て方の問題でも子どもの発達の問題でもありません。

子どもの成長の一つの姿なのです。

この記事では、イヤイヤ期とはどういうものなのか、
そしてどのように対応すればよいのかを、
元公立幼稚園教諭が発達心理学の観点から分かりやすく説明します。

イヤイヤ期はいつからいつまで?

いわゆる「イヤイヤ期」とはいつからいつまでの頃をさすのでしょうか。

発達心理学では、子どもが反抗的な態度をとるようになる時期を「第一反抗期」と呼んでいます。

早い子では1歳半頃から見られ、3歳頃まで続くと言われています。

しかし、これはあくまで目安で、4歳頃まで続く子もいれば、
「イヤイヤ期ってあったっけ?」と思う子もいます。

程度も個人差があり、ひどく泣きわめくような子もいれば、
「イヤ」というもののすぐに切り替えられる子もいます。

イヤイヤ期の本当の意味って?発達心理学から解説

イヤイヤ期における子どもの態度は、親からすると「わがままになった」と感じるのではないでしょうか?

しかし、子どもが成長するにはとても大事な過程の一つなんです。

イヤイヤ期の子どもの脳はすごいスピードで成長をとげています。

色んな分野の発達を同時にすすめているのがこの時期の脳。

一体何が起きているのか、3つの視点で説明します。

自立心の芽生え

2歳頃は「私は私」という感覚が育ち始める時期です。
心理学ではこれを「自我の芽生え」とも呼びます。

「自分で!」と言って靴をはこうとしたり、
着替える服を選んだりする姿がこれにあてはまります。

この時期になると、自分の力を確かめたい・試したい気持ちが大きくなります。

手伝おうとすると泣いて怒るのも、
「自分でやってみたいんだ!」という気持ちの現れですね。

つまり、自分でやってみたい気持ちが強い時期に、先に決められると、
思い通りにできないもどかしさが「イヤ!」として出ることがあります。

「イヤ!」は反抗ではなく、「自分で決めたい」という成長のサインなのです。

親から心理的に離れようとする動き

乳児期は、心理的にはまだ親との境界がはっきりしていません。

2歳ごろになって自分とお母さんが別の人間であることに気づきます。

例えば、ママの顔を触りながら、「ママと私は違うんだ」と少しずつ気づいていきます。

「ママはママ。私は私。」と気づくようになると、
「ママの考えは私の考えじゃない」と認識し始めます。

「これ着よう」と服を見せても「イヤ!」というのは、
”私はママと考えが違うの”と主張しているということになります。

実はイヤイヤ期は、親から心理的に離れるための準備期間でもあるんですね。

前頭前野が未熟

脳の神経発達の視点からも考えます。

脳の前頭前野という部分は、「実行機能」をつかさどる部分。

この実行機能は3歳から急成長し、成熟するのは20代前半と言われています。

つまり2歳頃はまだ発達の初期段階です。

この部分が未熟ということは、以下のような状態だということです。

  • 気持ちや行動を抑えることが難しい
  • 今していることから切り替えるのが難しい
  • 見通しを持って行動するのが難しい

つまり、親が「そろそろ帰るよ」と言われても、子どもは

  • 遊びたい気持ちを抑えられなくて「イヤ!」連発
  • 帰るモードに切り替えられなくて泣く

ということです。

「言うことを聞かない」のではなく、心のブレーキが発達の途中段階だからなんです。

イヤイヤ期は”親を困らせる時期”ではない

イヤイヤ期は、親を困らせる時期でも、わがままがひどくなっている時期でもありません。

”自分”という存在がはっきりしてきた証です。

親とは違う、一人の人間として育とうとしている途中なのです。
発達心理学では、この時期を「自律性が育つ段階」ともいいます。

しかし一方で、感情のブレーキ(実行機能)はまだ発達途中です。

体の動きもまだ未熟です。

子どもなりに感じている葛藤やもどかしさを、怒ったり泣いたりして表しているのです。

イヤイヤ期の正しいかかわり方

では、親はどのようにかかわっていけばよいのでしょうか。

おすすめのかかわり方を紹介します。

選択肢を渡す

自分で物事を決めたいという気持ちが芽生えています。
これは「自律性」の発達のあらわれです。

「どっちがいい?」などと選択肢を提示することで、
「自分で決められた」という感覚(自己効力感)が育ちます。

例えば着替え。

「どっちの服がいい?」と二つ見せて決められるようにします。

ちなみにですが、次男はだいたい「どっちもイヤ」と答えます。

なので、服が入っている引き出しをそのまま目の前に置き、
「ママ、どれがいいか分からないから選んでくれる?」と聞きます。

すると「いいよぉ」と選んでくれる確率が少し上がります。

朝の支度がなかなか進まずイライラしてしまう方は、こちらもあわせてどうぞ。

気持ちを言語化する

子どもがうまく言えない気持ちを、代わりに言葉にしてあげると、
「私のことを分かってくれた」と感じられることがあります。

「自分で食べたいんだね」
「やってみたいんだね」

そう言葉にしてあげることで、「イヤ」以外の言葉での伝え方を学ぶ機会にもなります。

気持ちを言葉にしてもらう経験は、感情を整理する力を育てる土台にもつながります。

自分でやれた経験を残す

「自分でやれた!」と感じられるように、そっと援助をします。

例えば、自分で手を洗いたいと言えば、洗面台の前に踏み台を置く。

服がビチャビチャになっても、着替えればいいだけです。

子どもは、「濡れちゃった」よりも「手を洗えた」と感じられるでしょう。

おかげさまで、次男は毎日3回はお着替えをする”手洗いマスター”になりましたよ。

小さな「できた」が積み重なると、「次もやってみよう」という自信につながっていきます。

これはNG!

・頭ごなしに否定する。

「ダメでしょ」「いい加減にして」と言ってしまいがちですが、
一方的に否定され続けると「自分でやろうとすることはダメなことなんだ」と学んでしまう可能性があります。

・「なんでできないの?」と言ってしまう

私も無意識に言ってしまう言葉の一つです。

発達段階でいえば「できない」のではなく、
「まだその力が育ちきっていない」だけなんですよね。

・感情で押さえつける

怒鳴ったり無理やり引きずったりするやり方です。
外で周りの目を気にするあまり強引にその場をやり過ごそうとしてやってしまう行動ですよね。

その瞬間は効果があるかもしれません。
でも、怒りや力で解決する方法を学んでしまう可能性があります。

子どもは、大人の姿を通して感情の扱い方を学んでいます。

とはいえ、余裕がないときに完璧な対応は難しいですよね。
だからこそ「毎回できなくてもいい」と思ってください。

つい怒りすぎてしまって後悔することがある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

まとめ|イヤイヤ期は成長の証

イヤイヤ期は、立派な成長の証です。

子どものひっくり返る姿を見ながら
「私の育て方が間違っていたかな」と思わなくて大丈夫。

あなたは何も悪くありません。

むしろ、子どもはちゃんと育っています。

わがままに見える行動も、自分という存在をつくっている発達途中の姿です。

「今、脳も心も育っている時期なんだな」と、一歩引いて見てみましょう。
少しは気持ちが軽くなるかもしれません。

余談ですが、外でひっくり返っている子どもを写真に撮っておくと、
後で見返したときに思わず笑える一枚になることもあります。

それも、今しかない一瞬です。

イヤイヤの奥には、ちゃんと「育とうとする力」があります。

頑張りすぎず、イヤイヤ期とお付き合いしましょうね。

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