幼稚園・保育園の行き渋りはなぜ起こる?原因と対応を元幼稚園教諭がママ目線で解説

子育ての悩み

朝になるとまた「今日も行きたくない」と泣いてしまう。
玄関で動けなくなったり、無理に連れて行って自己嫌悪になったり…。

「どうしてこんなに嫌がるんだろう?」
「無理にでも行かせるべき?」

そんなふうに迷いながら、毎朝なんとか送り出している方も多いのではないでしょうか。

はじめまして。

私は元公立幼稚園教諭として7年間勤務し、現在は4歳と2歳の男の子を育てている藍野あきです。

我が家の長男は年中組に進級。最近は、朝になると「行きたくない」と泣く日が続いています。

ある日、お迎えのときに門から1人で出ようとしてしまい、先生に強く注意されたことがあって…。
それがきっかけだったのか、次の日からさらに行き渋るように。

「このまま行かせていいのかな」と悩む日もあります。

そこで今回は、同じように悩んでいるママやパパに向けて記事を書きました。

この記事では、行き渋りの理由と、少し気持ちが軽くなる関わり方について、実体験も交えながらお伝えします。

この記事で分かること
  • 行き渋りはなぜ起こるのか
  • 年齢別に見た理由の特徴
  • どう対応すればいいのか
  • やってしまいがちなNG対応
  • 休ませるべき?行かせるべき?見極め法
藍野あき
藍野あき

一緒に行き渋りを乗り越えていきましょう!

行き渋りはなぜ起こる?主な理由は4つ

子どもの「行きたくない」には、いくつかの理由があります。

①体調面の影響

寝不足や疲れがたまっていると、大人でも気分が乗らないもの。
子どもはそれをうまく言葉にできず、「行きたくない」と表現することがあります。

②生活リズムが整っていない

起きる時間や寝る時間がバラバラだと、朝のスタートがしんどくなります。
体が目覚めきっていない状態では、不安や不快感も強くなりがちです。

③お母さんが好きだからこそ

「離れたくない」という気持ちは、愛着がしっかり育っている証拠でもあります。
特に小さいうちは、“安心できる存在と離れる不安”が強く出やすい時期です。

④園でストレスを感じている

お友だちとの関係や、先生とのやりとり。
小さなことでも、子どもにとっては大きなストレスになることがあります。

こうした理由から、子どもの行き渋りはさまざまな背景が重なって起こります。

幼児期の子どもの姿は、単なる「性格」ではなく、環境や人との関わり、発達の段階が大きく影響しています。

実際に、東京大学 発達保育実践政策学センターの研究でも、 保育の環境や関わり方が子どもの発達や心理に影響することが示されています。

そのため、行き渋りも「わがまま」ではなく、その子なりに環境に適応しようとしているサインと考えることができます。

行き渋りの理由は年齢によって変わる|年齢別の特徴を解説 

行き渋りは、年齢によって背景が少しずつ変わってきます。
ここでは、泣く子が多いと言われている「0~2歳」、そして特に変化の大きい「3〜4歳」と「5歳ごろ」について見ていきます。

0〜2歳の行き渋り|離れることへの不安が大きい時期

この時期は、保護者と離れること自体に強い不安を感じやすい時期です。
いわゆる「分離不安」が大きく関係しています。

こんな姿が見られることも
  • 登園時に泣いて離れられない
  • 抱っこから降りたがらない
  • 保護者の姿が見えなくなると強く泣く
発達的に見たポイント
  • 安心できる人=世界の中心
     →まだ「また会える」という見通しを持つのが難しい
  • 時間の感覚が未熟
     →「あとで迎えに来る」が理解しづらい
  • 言葉で気持ちを伝えられない
     →不安をそのまま泣くことで表現する

3〜4歳の行き渋り|人間関係が広がり心が揺れやすい時期

この時期は、自我がしっかり育ち、友だちとの関わりが一気に増えていきます。
その一方で、まだ気持ちのコントロールや言葉での表現は未熟です。

つまり、「関わりは増えるのに、気持ちの整理が追いつかない時期」でもあります。

こんなことがきっかけになることも
  • 「ばか」と言われた
  • 仲間に入れてもらえなかった
  • おもちゃを取られた
  • 先生に注意された
  • グループ活動が変わった(席替え・班替えなど)
  • 好きな先生が変わった

大人から見ると些細に感じることでも、子どもにとっては大きな出来事です。

発達的に見たポイント
  • 白黒で考えやすい
     →「優しい=好き」「嫌なことされた=嫌い」と極端になりやすい
  • まだ自分中心の世界
     →相手の気持ちを想像するのが難しく、トラブルが起きやすい
  • うまく言葉にできない
     →気持ちを説明できず、「行きたくない」とまとめて表現する
  • 環境の変化に敏感
     →少しの変化でも不安につながりやすい

この時期の行き渋りは、「人との関わりが広がるからこそ起こる心の揺れ」とも言えます。

実際に、我が家でもこんなことがありました。

お迎えのとき、門から1人で出ようとしてしまい、担任の先生と門にいた先生に同時に注意されたことがありました。
大人からすると安全のための声かけですが、本人にとってはとても怖かったようで、次の日から「行きたくない」と言うように…。

大人にとっては一瞬の出来事でも、子どもにとっては強く印象に残ることがあります。 

5歳ごろの行き渋り|比較やプレッシャーが増える時期

5歳ごろになると、言葉で気持ちを伝える力が育ち、ルールや社会性もぐっと身についてきます。

その分、「周りと比べた中での自分」を意識するようになります。

こんなことがきっかけになることも
  • 「〇〇ちゃんみたいにできない」と感じる
  • 発表や制作での失敗体験
  • 先生に注意されたことを引きずる
  • 仲良しグループの変化
  • 当番や役割へのプレッシャー
発達的に見たポイント
  • 自己評価が育つ
     →「できた・できない」を自分で判断し、自信が揺らぐことも
  • 他の子と比べるようになる
     →劣等感の芽が出てくる
  • 頑張りすぎる子もいる
     →真面目な子ほどストレスをためやすい
  • 言葉で伝えられる=軽いわけではない
     →理由が言える分、大人は安心しがちだけど、心の中は複雑

この時期の行き渋りは、「できることが増える一方で、心の負担も増えているサイン」とも考えられます。

幼稚園教諭をしていたとき、運動会や発表会前になると、行き渋りをする子が増えるのを感じていました。
練習や周りの雰囲気からプレッシャーを感じ、「うまくできるかな」という不安が、「行きたくない」につながることもあります。

このように、行き渋りは「甘え」ではなく、その時期の成長段階で、子どもなりに一生懸命環境に適応しようとしているサインなのです。

年齢に合わせた対応のポイント|発達に応じた関わり方 

行き渋りへの対応は、「これが正解」というものがあるわけではありません。
ただ、年齢ごとの発達をふまえると、関わり方のヒントが見えてきます。

0〜2歳ごろ|まずは「安心」をしっかり届ける

この時期は、離れること自体が不安につながりやすい時期です。

だからこそ大切なのは、「必ず迎えに来るよ」「大丈夫だよ」という安心感を繰り返し伝えること。

✅関わりのポイント
  • 短くてもいいので、しっかり抱きしめてから離れる
  • 「いってくるね」ではなく「お迎えにくるね」と伝える
  • 毎日同じ流れで登園する(ルーティンをつくる)
  • 安心できる工夫を取り入れる 

我が家では、手ににこちゃんマークを書いたり、名札の裏に似顔絵を入れて「一緒に連れていってね」と伝えたりしていました。
“安心できる流れ”をつくることが、次の一歩につながります。

朝の支度をスムーズにする工夫については、こちらの記事をどうぞ。
朝の支度が進まない!子どもが動かない理由とイライラしない工夫

3〜4歳ごろ|気持ちを受け止めながら、少しずつ言葉に

友だちとの関わりが増え、心が揺れやすいこの時期。
でもまだ、自分の気持ちをうまく言葉にするのは難しい段階です。

✅関わりのポイント
  • 「嫌だったんだね」と気持ちを代弁する
  • 無理に理由を聞き出そうとしない
  • 家で安心して話せる時間をつくる

さらに、こんな工夫もしてみるといいでしょう◎

  • 「今日は誰と遊べるかな?」と軽く前向きな声かけ
  • 先生にさりげなく様子を共有しておく

「気持ちをわかってもらえた」という安心感が、次の行動につながります。

子どもが「友達が遊んでくれない」と言ったときの対応についてはこちらの記事にまとめています。
子どもが「友だちが遊んでくれない」と言ったときの親の対応|元幼稚園教諭が解説

5歳ごろ〜|気持ちを尊重しながら「自信」を支える

この時期は、自分で考え、感じる力が大きく育つ一方で、自信をなくしやすい時期でもあります。

✅関わりのポイント
  • 理由をしっかり聞く(最後まで否定せずに)
  • 「そう思ったんだね」と一度受け止める
  • 小さな「できた」を一緒に振り返る

こんな工夫もおすすめです◎

  • 「全部じゃなくて、午前中だけ行ってみる?」などハードルを下げる
  • 頑張りすぎていないか、さりげなく見守る

「できるようにする」よりも、「大丈夫」と思える気持ちを育てる関わりが大切です。

どの年齢でも共通しているのは、無理に気持ちを変えさせるのではなく、「安心」と「わかってもらえた」という感覚を積み重ねていくこと。 

自分の存在をまるごと受け入れてくれる人が身近にいることで、安心して外の世界(幼稚園や保育園、その先の学校生活まで)に出ることができる。

心の安全基地をつくることが親の役目だと感じます。

また、園での様子を知ることで、原因が見えてくることもあります。
園での様子が気になったときは、先生に相談してみるのも一つ。二人三脚で見守っていけると心強いです。 

こんな対応はNG!|逆効果になる関わり方に注意 

ついやってしまいがちですが、こんな関わりは注意が必要です。

  • 無理やり引き離す
    一時的には登園できても、「怖い場所」という印象が強く残ってしまうことがあります。
  • 「なんで行けないの?」と責める
    気持ちをうまく言葉にできない子にとっては、さらに追い詰められる原因に。
  • 他の子と比べる
    自信をなくし、「自分はダメなんだ」と感じてしまうこともあります。

一時的にはうまくいくように見えても、不安が強くなり、行き渋りが長引くこともあります。
大切なのは、「行かせること」よりも、「安心して過ごせる気持ちを育てること」かもしれません。 

休ませる?行かせる?迷ったときの判断ポイント

行き渋りが続くと、悩むのがこの問題。

「今日は休ませた方がいいのかな?」
「でも休ませるとクセになるって聞くし…」

私自身も、毎朝この間で揺れています。あのときも、無理に行かせるべきか、休ませるべきか、本当に悩みました。

結論から言うと、どちらが正しいとは一概には言えません。
大切なのは、その日の子どもの状態を見て判断することです。

休ませた方がいいサイン

  • 明らかに元気がなく、体調面が気になる
  • 前日から強い不安やストレスが見られる
  • 涙が止まらず、気持ちの切り替えが難しい

こういった場合は、無理に登園させるよりも、 一度しっかり休んで気持ちを整える方が良いこともあります。

行ってみると大丈夫なことも

一方で、家では泣いていても、園に着くと落ち着いて過ごせる子も多いです。

  • 行く直前だけ強く嫌がる
  • 切り替えに時間はかかるけど、その後は遊べている

こういった場合は、少し背中を押してあげることで乗り越えられることもあります。

迷ったときの考え方

判断に迷ったときは、

  • 「今日はどっちがこの子にとって安心できるか」
  • 「無理をさせすぎていないか」

この視点で考えてみると、少し決めやすくなるかもしれません。

大切なのは“どちらを選んだか”よりもその後

「休ませる=甘やかし」ではなく、「行かせる=無理をさせている」とも限りません。

休ませる日があってもいいし、頑張って行く日があってもいい。

大切なのは、どちらを選んだとしても「あなたのことをちゃんと見ているよ」という気持ちを伝えることだと思います。

行き渋りでしんどいときは|親の気持ちの整え方 

毎朝のやりとりに疲れてしまうこともありますよね。

「また今日もか…」と思ったり、うまく対応できなかった自分に落ち込んだり。

幼稚園が合わないのかなとまで思いつめてしまうこともありました。

でも、悩みながらも向き合っている時点で、それはしっかり子どもを大切にしている証拠です。

完璧じゃなくて大丈夫。
少しずつ、その子に合ったペースが見つかっていけばいいと思います。

まとめ|行き渋りは成長のサインとして向き合おう

行き渋りは、めずらしいことではなく、成長の中でよく見られる姿です。

理由はさまざまですが、子どもなりのサインとして受け取りながら、無理のない関わりをしていくことが大切です。

行き渋りは、子どもが一生懸命がんばっているサインかもしれません。 

焦らず、少しずつ。
親も子どもも、無理しすぎず過ごしていけますように。

行き渋りに限らず、子育ての中では「どうしてうまくいかないんだろう」と感じることも多いですよね。
そんな日々に寄り添う記事も投稿しています。
よければのぞいてみてください。

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